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極軸合わせ [天文]

赤道儀には「天の北極」に正確に向ける為に極軸望遠鏡が内蔵されています。北極星とは良いますが、「天の北極」少しズレているので北極星に合わせるのは正確には間違いです。極軸望遠鏡の極軸パターンの中心が本当の「天の北極」なのです。

広角レンズや短時間露出での撮影では北極星の方向に向いているだけで撮影可能ですが、コンポジット撮影や5分程度の長時間露出では「天の北極」にしっかり極軸合わせを行います。ボータブル赤道儀では丸い穴から北極星を入れます、それでもこの場合では十分です。

日周運動で北極星はいつも同じ位置にいないので、その日の北極星の位置を極軸パターンに合わせる作業が必要です。極軸望遠鏡は5倍〜9倍程度なので正確に合わせる為に上下左右(赤経と赤緯)に微調整機能がないと大変です。

最近は極軸望遠鏡に極軸合わせ用のCMOSカメラと専用ソフトも有りパソコンを見ながら調整出来ます。自動導入望遠鏡で有れば北極星に向けずに他の明るい一等星を3つ選択して、ズレ量を把握して極軸調整するそうです。自動導入望遠鏡は暗い星雲星団の観望用には有り難いでしょう、星図を見ることもない「カーナビ」のようです。以前の望遠鏡には赤経と赤緯の目盛環が有りましたが、最近では無くなりました。

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極軸望遠鏡(この写真ではキャップしてあります)
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A.極軸望遠鏡(ビクセンPF-L)
この極軸望遠鏡は5倍で北極星のこぐま座α(αUMi)、こぐま座δ(δUMi)、ケフェウス座51番星(51Cep)の3つの星で極軸合わせを行います。時角の計算は不要ですが、極軸パターンを回転させて、上下左右の調整を行い3つの星が指定位置に重なる作業が必要です。

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B.極軸望遠鏡(ケンコースカイメモT)
この極軸望遠鏡は9倍で時角を計算をした位置に北極星を入れます、この極軸パターンでは北極星は8時7分頃です。8時7分の位置を割り出すには時角を計算が必要ですが、スマホアプリで簡単に北極星位置を表示してくれます。上下左右の調整を行い8時7分の位置に合わせる作業が必要です。
2020年04月20日 自宅にて
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